1950年代、アメリカのど真ん中で映画を見て育ち、近所の日本人と親交を深めたSSI創設者のトム・ガーニエは、日本文化に深い尊敬と関心を抱くようになった。その彼の感謝の気持ちがビジネスパートナーシップへと発展するのは、それからさらに30年後のことだった。
1985年、SSIを起業して3年後、トムはアメリカで出版されていた製造業名簿に広告を出すことにした。しかし、彼が全く知らないうちに、その出版物は1万部も国際的に配布されていた。 その頃、SSIはまだ国際的なビジネスをしていなかったので、世界中のあちこちから問い合わせがあってもどうしたらいいのかわからず、問い合わせの紙は書類棚にしまっておいていた。
それからほどなくして、トムの仕事関係の友人が、SSIにとって国際的なビジネスを展開することの重要性を強調して話していた。
「国際的なビジネスは、企業に用途、競争、業界の方向性をよりよく理解させる。そして、そうすることで、その会社の製品を向上させることができるのです。」と、その人はトムに言いました。
このアドバイスを受けて、トムは書類棚に戻り一通りの問い合わせを整理した結果、日本企業の書類に取り組みはじめた。それから何度もやり取りを交わした後、最終的にその日本の会社はSSIのシュレッダーを1台購入することにした。名古屋にあるこの会社は、事業系廃棄物を処理するシュレッダーを必要としていた。ここでSSIは2軸式の3600破砕機(現在のSSI2軸式破砕機M120に類似している)を提案した。そしてしばらくして、その日本の会社は更に2台購入した。これにより、SSIは正式に日本でのビジネスを開始したのである。
1990年代初頭には、廃棄物管理は世界的な関心事となり、各国は廃棄物管理とリサイクルをより重視するようになっていた。そしてこの頃、日本ではRDF(Refuse Derived Fuel:廃棄物固形燃料)やタイヤ処理が盛んになりつつあったため、シュレッダーへの需要は高まっていた。日本企業の日立とコマツの両社は、彼らの移動式破砕機に搭載させる、破砕室(シュレッダー)部分の製造契約をSSIと締結した。
また同時に、SSIは競争力のある部品の引き合いを受けるようになったが、そこから日本企業が海外企業から購入した機器のメンテナンスに苦労しているというケースが浮かび上がってきたのだ。
このことが、トムのビジネス原則のひとつである「シュレッダーのサービスを提供しないのであれば、ビジネスは成立しない」につながった。
それから1990年代から2000年代に入ると、日本でのビジネスはSSI全体の売上の25%近くを占めるまでに成長した。
現在、SSIは日本国内で400台近い納入実績を持つ。トムに聞くと、日本市場でビジネスを展開することの重要性をこう語る。
「(日本での仕事は)私たちの会社をより良くしてくれました。そして私たちの製品をより良いものにしてくれました。」
SSI社長 トム・ガーニエ